読書感想文

【レビュー】伝説のファンドマネジャーが教える株の公式を読了!実践的に試したくなる手法が盛りだくさんの良書

伝説のファンドマネジャーが教える株の公式を読了しました

ワタシの中で「株の良書」とは…

  • 読了した後にこの手法を試してみたい
  • スクリーニングで検証してみたい

そう思わせる本です。「伝説のファンドマネジャーが教える株の公式」という本は、まさにそう思わせる良書でした。

今日は、この 「伝説のファンドマネジャーが教える株の公式」について、レビューしたいと思います。


伝説のファンドマネジャーが教える株の公式 を読む意義

この本は、一時流行した新高値投資法をまとめた本です。新高値投資法と言えば、DUKE。氏やミネルヴィニに本で有名ですね。

しかし、ワタシが読んだ感覚ですと、このミネルヴィニの本をさらに分かりやすくした本だと言えます。

また、DUKE氏の本も新高値投資法として有名です。

この株の公式が書かれたのは2010年。ライブドアショック、リーマンショックが起こった直後。その後、東日本大震災やユーロショックで民主党政権下の日本株はさらに下落します。

しかし、そんなときにこの本を読んで実践してきたとしたらアベノミクスの始まりとともに大きな資産を挙げることができていたかもしれません

現在の日本株はどうでしょうか。

2020年オリンピック、自動運転、AI・IoT・5Gなどの技術革新、日銀の金融緩和、年金の株式保有割合の増加…こうした株式運用にはうってつけの好材料が立ち並ぶ中で不安定な株式相場。

一昨年付けた上値を追う展開がいつ来るのか?もう日本株はダメなんじゃないか?と疑問に思わざるをえません。

そんな中でも、いつくるかわからない次なる大相場を待ち焦がれつつ、この本に書かれた内容を準備しておけば、株で大きな資産を作ることだって夢ではないはずです。

チェックリストで大化け株を探す

この本では大化け株を探すためのチェックリストが本の帯に明記されています。この本の骨子となる部分を明け広げに公開してしまうんですから大胆です。

このチェックリストを整理してみますとこんな感じです。

  • 数年来高値を付けたか
  • 新高値の位置はどうか
  • 過去の利益成長は年率7%以上で安定的か
  • 直近1年から2年の経常利益の伸びは20%以上か
  • 直近2~3四半期の売上の伸びは10%以上か
  • 直近2~3四半期の 利益の伸びは20%以上か
  • 今後の揺るぎない成長が見込めるか
  • PERは高くないか
  • 上げ相場の上昇力の強さがどう

いわゆる新高値投資法と言われる本の条件とあまり変わらないのですが、DUKE氏の条件と異なり、新高値が「数年来」である、そしてPERに制限を設けていることが特徴的です。

この本で言う「数年来」とは2年以上を意味します。

過去1年間新高値や年初来新高値という条件は会社四季報CD-ROMのスクリーニング条件にも入っていますし、年初来でしたら株探からも検索することができます。

このあたりをどのように効率化するかは兼業投資家にとっては悩みの種です。

予想PER上限については60倍というのが本書の立場です。この辺りはPER100倍でも買いとするミネルヴィニの本と比べても、現実的な範囲と言えそうです。

市場の上昇率を読むには?

この本の重要なポイントは、下落相場から上昇相場への転換点を読み解くことにあります。

今の日本株だって、これから急落するのか、上昇するのか、誰でも気になるところです。

そんなことを分かれば苦労しないよ…そう思うひともいるかもしれません。

この本では、相場の転換点を読むには、新高値銘柄数レシオという指標を使うとします。

新高値銘柄数レシオとは、過去1年間の高値を付けた銘柄数を東証1部の全銘柄数で割ったものです。

こんな指標は初めて知ったのですが、ネット検索したところ、こちらのサイトに新高値銘柄数レシオが掲載されていることを知りました。

こちらは日経平均株価ですが、新高値銘柄数をグラフ化したものです。2016年の株価もみ合い中に新高値銘柄は少しずつ増え、その株価は上昇に転じています。

直近の状況で言えば、2018年中盤から今日至るまで新高値更新銘柄は減少中ですが、過去のデータから見ると新高値銘柄数200を超えてくるあたりが日経平均株価の上昇に転じる可能性があります

売りのポイント

テクノファンダメンタル派の売りのポイントはテクニカルにあります。悪材料が出てから株を売るようでは遅い、という考え方が根底にあります。

このスタンスは本書も同じ立場です。

株価が業績に先駆けてピークを付けるケースで最も多いのは、日経平均の下げの影響で個別株が天井を打ってしまうものです。

(中略)

それらを平均すると、全体の8割ぐらいの個別銘柄が市場の動きに「右へならえ」で下げていきます。つまり、個別銘柄の事情(=業績)よりも市場の流れに影響を受けやすいということです。

伝説のファンドマネジャーが教える株の公式P170より引用

また、8%損切ルールも提唱されています。売りはルールに沿って機械的に行う、というのがポイントです。

最後に

ということで、伝説のファンドマネジャーが教える株の公式についてレビューしてみました!

伝説のファンドマネジャー、アブダビ投資庁ってなんだよ?という疑問もありましたが、過去のデータを用いながら、分かりやすく解説されています。

ネットのレビューでも、新高値投資法の本では本書が最も分かりやすいと評判です。

2010年発行のため、データを仕入れるために紹介されているウェブサイトなど若干古い情報も混ざっていますが、基本的な考え方を学ぶには良い本だと思います。

株式投資のスキルを上げたい、投資手法で悩んでいる、そんな兼業投資家にはうってつけの「伝説のファンドマネジャーが教える株の公式」。ぜひ、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。