今日は、暴落局面を儲けのチャンスに変える、一括指値注文という新たな買いルールをご紹介したいと思います。
わが高配当株投資法では、多少の減益やxxショックでも減配しない安定配当銘柄を配当利回り4.4%以上の株価で購入という鉄則があります。
経験上、減配可能性の低い優秀な高配当銘柄はなかなかお得な株価で買うことは難しいです。しかし、日経平均株価が一日で4000円以上暴落するような場合は違います。
配当利回りに関係なく全ての銘柄が売りたたかれる地合いこそ、高配当株の絶好の買い場となるのです。
でも、少々欲張りなことを言うと…
配当利回り4.4%の株価で買えたけど、もっとうまく立ち回ればお得な株価で買えてたのに…
なんてことになるわけです。特に場中に参加できない兼業サラリーマン投資家にありがちな話です。
そこで、暴落局面でよりお得でより配当利回りの高い状態で高配当株銘柄を購入するためにはどうしたらよいか、買いのルールを考案しました。
結論から言いましょう。
暴落時の高配当株一括指値注文ルール
- CME日経平均先物が-1000円以上となっている
- その日の終値を基準株価とする
- 基準株価の80%または配当利回り5%の株価で指値注文を出す。
- 注文期間は1週間とする
この手法を自分のものにできれば…
・相場の暴落局面が苦しみではなく楽しみに変わり
・あなたの株式投資のパフォは爆上がり
・株式投資のスキルとメンタルを成長させることができる
こんなことが期待できます。
なお、ご意見・ご感想はX(元Twitter)までお願いいたします。
Tweet to @okiraku_tohshiなお、暴落時の対処方法については以下のブログも参考してください。
暴落は買いとは言うけれど…
株式投資をやってる以上、必ず着いて回るのが暴落相場。
統計的には、暴落相場とは直近高値から20%以上の下落のことをいい、10年に1回の割合で起こるとされます。
また、10%下落する調整相場は、年に1回か2回程度起こると言われます。
このように頻繁に起きる株価下落―私たちは暴落局面・調整局面をいかに避けるか?よりも下げ相場とどう付き合っていくかが重要な課題となるのです。
そんな中、偉大な投資家は言います。
”暴落相場は買い―”
確かに言うのは簡単だけどさー
そう言うのは簡単なですけど、これを実際にやるのは難しいんです。コロナショックのときも私は買い向かっていましたが、買っても買っても株価は下落する一方。
しまいには減配して損切りを迫られる場面もありました。これはさすがに精神的にもやられてしまいます。
そこで考えました。
恐怖や不安などの感情に影響を受けることがなく、機械的に購入できるルール。これが高配当株の一括指値注文ルールです。
このルールに従うことで、場中を見れない兼業サラリーマン投資家でも、お得な株価で非減配銘柄を新規購入することが可能になります。
なお、投資する銘柄は、将来にわたって安定配当を出す可能性が高い高配当株銘柄である必要があります。
我が高配当株投資の買いルール
- 2008年以降減配がない(記念配・特配除く)
- 過去10年間営業赤字なし
- この条件を満たす銘柄を配当利回り4.4%以上の株価で買う
ルールとしてはこれだけです。我が投資法における銘柄選別に詳しくしりたいならこちらのページもご覧ください。
なぜ買いにこだわるのか?
なぜ買値にこだわるかというと1円でも安く買えた方が投資パフォが上がるからです(当たり前ですが)。
これは個別銘柄投資をやっている者にとってはとても重要なこと。
タイミングを計らないインデックス運用を打ち勝つためには、暴落時での買いが勝負を分けると言っても過言ではありません。
例えば、2024年8月5日の日経平均の株価を見てみましょう。
大幅下落と見て12時30分から30分程度の間に私は高配当株を購入したのですが、引けにかけてさらに株価は下落。
日経平均株価は-4415円の下落幅を見てもわかるとおり、もっとお得な株価で高配当株を買えたかもしれないのです。
下表は、8月5日に購入した銘柄の株価と終値の比較です。5%から10%ほど高いところで購入していることが分かります。
購入した銘柄 | 購入株価 | 8/5終値 |
日本化学産業 | 1,261円 | 1,250円 |
グローリー | 2,367円 | 2,266円 |
紙パルプ商事 | 5,590円 | 5,050円 |
日本プロセス | 1,176円 | 1,123円 |
例えば、配当利回り4.4%の株価で指値を出しても、もっとお得な株価で購入することができるはずです。
とはいえ、配当利回り5.0%の株価で指値注文を出しても、それはさすがに欲張りすぎで一つも約定しない可能性もあります。
ちょうどいい塩梅(あんばい)で指値注文するにはどうしたらよいのか、そう考えて考案したのが今回紹介する高配当株一括指値注文ルールです。
高配当株一括指値ルールの趣旨
高配当株一括指値ルールの概要
そこで高配当株の指値注文にあたっては、以下の条件で指値注文を出したらどうなるかを検証してみました。
・指値注文する対象銘柄は配当利回り3.6%以上
・指値注文は終値の-20%の株価とする
・CME日経平均先物が1000円以上暴落しているときに発動する。
このことを図に示すと以下のとおりとなります。
指値注文の株価を-20%かということ、暴落の基準が20%以上の暴落であるという定義があるためです。
配当利回り3.6%の銘柄→配当利回り4.4%で指値注文
配当利回り4.0%の銘柄→配当利回り4.8%で指値注文
配当利回り4.4%超の銘柄→配当利回り5.0%で指値注文
このように書くと意味がよく分からないと思うので具体的な例を挙げて説明しましょう。
対象となるサンプル銘柄
今回の暴落局面を例に検証結果を記してみます。サンプルとなる銘柄はこちらの39銘柄です。
暴落前の直近7月31日現在の株価で配当利回り3.6%以上の銘柄は以下のとおりでした。
指値注文を行う
先ほど記載した通り、CME日経平均先物が1000円以上暴落していることを受けて、対象銘柄に対して以下のとおり指値注文を出します。
・7月31日時点の終値の80%の株価 …(ア)
・配当利回り5%の株価…(イ)
・(ア)と(イ)の高いほうで指値注文をする
配当利回りなどの算定式を復習しておきましょう。
例えば、配当金100円、株価は2174円の銘柄があるとします。配当利回りは4.6%となります。
株価=100円÷4.6%≒2174円
暴落直近の基準株価が2174円だった場合
(ア)の場合の指値注文は1740円となります。
基準株価の-20%=2174円×0.8≒1740円
(イ)の場合の指値注文は2000円となります。
配当金100円÷5%=2000円
(ア)と(イ)を比較して高いほう(2000円)で指値注文することになります。
なぜ、わざわざ(ア)と(イ)を比較するかというと、購入する高配当株の利回りに上限を設定するためです。
事例のとおり、配当利回り4.6%の銘柄はすでに高配当株化しており、魅力的な株価水準です。
このような銘柄を一律-20%で計算した指値注文すると、配当利回り5.7%以上の株価まで下落しないと買えないことになります。理想ではありますが、非現実的な株価水準です。
経験上、非減配銘柄は配当利回り5.2%から5.5%程度下げ止まることが多いことから、高配当株銘柄の底値は5%程度とみなし、この株価水準なら買えるように指値注文を行うものです。
一覧表に示すと上図のとおりとなります。赤で囲った部分が実際に指値注文した株価となります。
指値注文の約定状況を確認する
今回の暴落期間は、8月1日から8月5日までの3日間でした。当該3日間の株価推移を見ながら一括指値注文ルールの約定結果を確認していきます。
指値注文した39銘柄中、3日間で約定したのは13銘柄でした(下図のとおり)。
購入した株価の配当利回りを見ていただければわかる通り、配当利回り4.4%以上となっており、通常の買いルールよりもお得な株価で購入することができました。
暴落時の新買いルールのメリット
- より高配当利回りで投資できる
- 高配当化する機会が少ない株を買えた
- 1週間後には13銘柄中11銘柄で含み益が発生する
配当金を重視するだけではなく、含み益も大事にしたいですよね。
今回の暴落によって日ごろ配当利回りが4.4%に満たない銘柄やセクターに投資することができます。
しかも、1週間後の終値に比べて含み益も出ており、株を保有していても気持ち的な余裕もできるようになります。
暴落時の指値の注意点
暴落時の買いは、株式投資で成功するための近道です。でも、上手に活用しないと、大きな損失を被る可能性もあります。
今回ご紹介した一括指値注文を行う際のコツや注意点をまとめてみましょう。
日々の株価チェックが必要
今回のような相場全体が暴落する段階では、監視銘柄を日々更新して、CME日経平均先物の値動きなどをチェックする必要があります。
忙しい兼業サラリーマン投資家でも、暴落時には、大儲けできるチャンスと考えて、株価や相場全体のチェックを怠らないようにしたいところです。
キャッシュポジションが必要
指値注文を行うためには、一定のキャッシュポジションを確保しておく必要があります。
例えば…
・日々の暴落に備えて本業で稼いだ資金をプールしておく
・売りルールに該当する銘柄を適正に処分しておく
上げ相場で調子に乗って買い増しばかりをしていると、暴落時にキャッシュがなくなり、追加投資ができない状況になります。
結果、高値掴みとなり、株式投資へのモチベーションもダダ下がりになってしまいます。
暴落前から日々のルールやルーチンを徹底することが大切です。
欲しい銘柄との優先順位を検討する必要がある
監視銘柄への一律で指値注文すると、値動きによっては欲しい銘柄に約定しないケースや偏ったセクターばかりに約定していまうケースなどが発生します。
ポートフォリオを組む場合は多くの銘柄やセクターでの分散投資を図りたいところ。
複数セクターへの分散投資こだわるのであれば少し工夫が必要になります。
・どうしても欲しいセクターや銘柄には、配当利回り4.4%で指値注文を行い、それ以外の銘柄に高配当株一括指値注文を行う
・追加投資分を含めてどのくらいの資金を投資したいかを決めて、タイミングも分散しがら高配当株一括指値注文を行う
監視銘柄リストを作成する際には、投資先の優先順位をつけておくことも必要です。
わがブログでも、日々、高配当株銘柄の監視銘柄を更新していますので参考してください。
最後に
ということで今日は、暴落相場で無理なく買い向かうための新ルール、高配当株一括指値注文ルールをご紹介しました。
復習しますと…
暴落時の高配当株一括指値注文ルール
- CME日経平均先物が-1000円以上となっている
- その日の終値を基準株価とする
- 基準株価の80%または配当利回り5%の株価で指値注文を出す。
- 注文期間は1週間とする
次回の暴落局面で試してみたいと思います。
私のような個別銘柄に投資する場合は、暴落相場でいかに買う側に入れるかが重要です。これを実行することでインデックス運用に打ち勝つことができるのです。
日々の株式相場の経験を生かし、高配当株で資産形成を頑張っていきましょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。