今日は、株価暴落に遭った時にどうしたらよいのか?対処方法について考えてみたいと思います。
2024年8月に入って日本株は大暴落。日銀が利上げ0.25%を実施し、日経平均は最高値から13%程度の下落。
そして米国雇用統計は悪化して米国株も大幅下落。これを受けて日経平均先物は暴落していて週明けの日本株も大幅下落で始まりました。
ネットではまさに阿鼻叫喚の嵐…
もうだめだ、おわた…
もうタヒぬ…
高橋〇ンが買ってるから上がる気がしない…
植田ぁぁぁぁー
などと叫んでも後の祭り。せっかく増やしてきた含み益もすっかり溶けて立ち直れない人もいるかもしれません。
わはははー、まだまだ上げちゃうよ~(←イメージ)
一方でインフルエンサーと言えば…
株価暴落は買い増しのチャンス!買え、買うんだ―
初心者の諸君、ここはガマン、ガマンだあ~
とはよく言われるものの、バーゲンセール状態って言われたって困りますよねえ。。。
そこで、2012年から高配当株投資を続け、幾度も××ショックを経験してきたこの私がどのような心持ちで週末を過ごし、暴落相場に立ち向かえばいいのか、考えてみたいと思います。
なお、暴落局面を乗り切るためには、自分の保有銘柄に確固たる自信があることが前提となります。
自分の投資法に自信が持てない…
そんな悩みのある方は、誰でも実践できる高配当株投資を学んでみてはいかがと思います。
なお、ご意見・ご感想はX(元Twitter)までお願いいたします。
Tweet to @okiraku_tohshiそもそも株価暴落は避けられない
確実に言えることは、すでに私たちは株価暴落のさ中にいて、今さら後悔したところで時間を巻き戻すことはできないということです。
もしも、株価暴落に備えるとすれば、株価がぜっこーちょーのときから何らかの対策が必要になります。
株価暴落への備え
- 日ごろから高値掴みをしない
- 追加資金はプールしておく
- 監視銘柄を整理しておく
ただし、こうした日ごろのリスク管理を徹底してもなお、株を少しでも保有する以上、株価暴落を避けることができません。
そして、これまで株で資産形成をし続けた人ほど被害は甚大になります。
つまり、暴落をいかに避けるか、というよりも、暴落といかに付き合うか、を考えるべきです。
株価暴落局面でやってはいけないこと
感情的な投げ売り
まず株価暴落局面でやってはいけないことは、感情に任せた投げ売り・ろうばい売りです。
確かにネット証券の資産残高がみるみるうちに減っていくのを見ると、怖くなって逃げだしたくなる気持ちも分かります。
私のこの2日間の資産残高はこんな感じです…
でも、よく考えてみてください。株価崩落前日までのあなたは何を考えてその銘柄に投資していたのでしょうか。
向こう5年間ファンダメンタル的に有望だから…
長期投資なら自己資本比率が高くて倒産しにくい会社を選ぼう…
配当金は再投資に回して雪だるま的に資産を増やそう…
そんな長期的な視点で投資しているのに、いざ、暴落を目の前にすると、恐怖や不安で投げ売りしてしまうのです。
そして、あなたが売りきったところで株価は反転。上がりゆく株価を横目に涙目となるわけです。これが株式投資でうまくいかない人の典型的な例です。
暴落時の最善手は何もしないことです。株価は必ず戻ると信じて、兼業サラリーマン投資家として本業に勤しめばよいのです。
感情的な買い増し
暴落局面で買いを入れることがベストな選択です。
というよりも、個別銘柄で投資する人間として、タイミングを考慮しないドルコスト+インデックス投資家よりも上をいくパフォーマンスを上げたければ、暴落局面での買いは必須のスキルです。
ただし、残念なことに証券口座にあるキャッシュポジションや追加投資は有限であることを忘れてはなりません。
暴落局面で買い向かう姿勢は大事ですが、感情的になってただがむしゃらに買い進めるのは得策ではありません。
買い増しの注意点
- 感情的にならない
- 値ごろ感で買わない
- 買い入れるタイミングを分散する
- 購入銘柄の優先順位をつけておく
暴落局面での恐怖は、底値がどこか、暴落がいつまで続くか分からない点にあります。それは2,3か月で終わるかもしれないし、半年~1年ほどかかるかもしれません。
なので、感情的になって無計画で買いを入れるのではなく、投資先や資金計画を考えておくことが必要です。
例えば、2024年8月から12月までの5カ月間、追加資金が100万円用意できるなら、毎月購入する額は20万円を目安にしよう、とか。
日経平均株価が10%下落するごとに100万円分のうち3割程度を購入に充てようとか。
そんな資金計画を立てておくとよいです。
また、監視銘柄の中から購入する銘柄の優先順位をつけておくことも重要です。暴落相場は普段高くて買えない銘柄を仕込めるチャンスだからです。
購入する銘柄の優先順位の例
- セクター
- 大型株
- 少額で買える銘柄
こちらは2024年7月末のわが高配当PFのセクター別割合です。
暴落局面で保有割合の低いセクターを優先して購入することでPFのバランスを整えていきます。
高配当株の少ないセクター
- 小売
- 金属製品
- 電気機器
- ガラス土石
- 精密機器
- 繊維
- 陸運業
などなど
暴落局面では、日本を代表するエクセレントカンパニーも一緒に大暴落するなど、思わぬ配当利回りで購入することも可能になります。
時価総額の大きい銘柄をお得な株価で仕込むことができ、うまく乗り切れば株価は2倍、3倍になるのも夢ではないです。
また、分散投資という意味では、異なるセクターの銘柄を複数購入できるように、少額で購入できる銘柄を優先するのもひとつの方法です。
このように、無計画に投資を行うのではなく、事前に計画や戦略を練って、暴落相場に立ち向かうことが冷静な投資行動につながっていくのです。
株式反転時の駆け込み買い
暴落の後には自律反発局面が訪れます。今回の史上最大の日経平均の下げ幅、4451円を記録した後は、史上最大の上げ幅、+3217.04円を記録しました。
やばい、乗り遅れる
反転した、買いだ!
とばかりに慌てて買いを入れるべきではありません。暴落時に買える分だけ購入したら、反騰時は購入を控えるべきです。
このような暴落後の急騰をキャットデッドバウンスと言いますが、一時的な上昇の可能性もあり、そのあとに二番底を形成する可能性もあるからです。
高配当株を指値注文する
わが高配当株投資の買いルールのひとつに、配当利回り4.4%以上であることというものがあります。
本来長期目線での購入であることから、指値注文は基本行わず、安値で放置されている状態で購入するのが本来の投資手法です。
しかし、今回のように歴史的な暴落によって買い場が訪れたとしても、場中を見れない兼業サラリーマン投資家にとっては、リアルタイムでの買い注文を出すことはできません。
そこで、今回の暴落をきっかけに新たな買いルールを発動するととしました。
暴落時の指値注文ルール
- CME日経平均先物が前日比-1000円以上であること
- その日の終値を基準株価とする
- 基準株価から-20%の株価で指値注文すること
例えば、今回の場合では、7月31日夜間の段階で、日経平均先物は-1000円以上の下落が見込まれていました。
そこで基準株価を7/31終値の株価とし、その株価から-20%のところで指値を入れておくのです。
暴落するのは、2,3日間続くことが見込まれますので、注文期間は1週間としておきましょう。
実際の結果は別記事にまとめる予定ですが、この方法ならバーゲンセール状態で安定配当銘柄をゲットすることができるはずです。
暴落相場に必要なメンタルを考える
ここまでは暴落相場に立ち向かうための具体的な手法についてまとめてみました。
でも、そもそも暴落相場で買う向かうなんて怖くてできんよ…
そう思うのもごもっともです。この項では、暴落相場で買いを入れることで、高配当株投資で大成功する名言を集めてみました。
偉大な投資家たちの名言集
最良の投資方法とは、暴落時にどんな価格でも、とにかく売らなければならない人から買うことである
ハワード・マークス 「投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識」
株式相場での参加者がイケイケのときではなく、みんなが売りたくなったときに買いを入れることが株式投資における最良の投資法と言えるのです。
投資家として成功するかどうかはクルーズコントロール状態で悠々と過ごす時間ではなく恐怖の瞬間にどう対応するかである。天才的な投資家の定義とは「周りの人たちが我を忘れているときに、当たり前の行動がとれる人」なのだ。
モーガンハウセル著 Psychology Of Money より
恐怖の瞬間をどう過ごすかによって、株式投資で成功できる可能性は高まるのです。そう、いまこそ踏ん張り時なのです。
1920年から2020年の間、米国株が30%以上下落した月に投資した場合に、次の史上最高値になるまでの期間の平均年間リターンは10%を超え、50%以上下落した期間のみを対象とすると、平均リターンは25%を超える
ニック・マジューリ著 JUST KEEP BUYINGより引用
暴落局面で買いを入れることでその後の投資リターンは大幅に向上することがデータ上明確になっています。
同書17章「暴落時の投資法」には、「暴落時など最悪の事態が起こったときにはもう一度この本を読んで欲しい」というメッセージが込められています。必読です。
大恐慌時代、長期投資家が資産を増やしたのは、保有株を売った投資家がそれだけ資産を減らしたからにほかならない。信用買いの清算を迫られた場合もあるが、たいていは狼狽して投げ売りした結果だ。こうした売り手が誰よりも損をした。
(中略)
下落相場と言えば、投資家が耐えた痛みの逸話ばかり語られるが、配当を再投資する投資家はリターン急上昇の醍醐味を味わえる。
市場が悲観論にとりつかれているとき配当を生む銘柄を買い続けるものは、結果的に誰よりも得をする。
ジェレミー・シーゲル著 株式投資の未来より引用
配当株投資のバイブル、株式投資の未来からの引用です。株価下落局面では、配当利回りが上昇するという当たり前の原理に従って買い続けることが富を生むとしています。
株の下落は特に驚くことではない。繰り返し起こることであり、ミネソタの寒気と同じくらい普通にあることだ。
中略
ミネソタ州民と寒気との関係は、株の銘柄選択で成功している投資家と株式市場の下落のそれと同じである。やって来ることは分かっている。乗り切る用意もできている。ほかの株といっしょにお気に入りの銘柄が値下がりしたら、すかさず買い注文を入れるのだ。
ピーターリンチ著 ピーター・リンチの株の法則より引用
この数年間は株式相場は右肩上がりで順調でした。でも、下落相場は必ず訪れるものであり、やるべきことは決まっていると説きます。
フラッシュクラッシュなどのマーケットの極端な変動が投資家に与える影響はせいぜい隣の農場のやかましい地主が私の投資に与える影響ぐらいのものです。
実際、混乱するマーケットで価格が実際の価値から大きく外れたときに手持ちの資金があれば、本物の投資家にとっては大いに助かります。投資において、みんなが恐れている時期は友達であり、世界が楽観的な時期は敵なのです。
バフェットからの手紙 第5版より引用
本物の投資家はむしろ暴落を歓迎するべきなのかもしれません。世界の投資から尊敬を受けるバフェットの言葉を少しでも実行できるようになりたいものです。
億り人になれた人には共通点がある、それは暴落相場で買えるリスクを取れる人だ
大江英雄著「となりの億り人 サラリーマンでも資産1億円」
もしもあなたが資産1億円を築き、また配当金を生活基盤に育て上げたいのであれば、暴落相場での行動が成否を決めることになるのです。
投資行動とメンタル
ここまで暴落時に心にとめておきたい名言を集めてみました。これらの名言は暴落局面が私たちの資産運用にとってポジティブなイベントであることを意味します。
よく株式投資にはメンタルが大事と言われます。でも、暴落はポジティブであることを理解できれば、意識的に忍耐力も精神力などのメンタルを鍛える必要はなくなるのです。
アンデシュ・ハンセン著 ストレス脳によれば、感情とは周囲の情報と身体の中で起こっている情報を脳が説明してまとめたものであり、感情によって人は行動するようにできているとされます。
また、人の頭脳は生存することを優先して思考するため、ネガティブなニュースに敏感であり、まずは不安を回避する行動に出る特性があります。
下落相場での投げ売り、狼狽売りは、私たちの内面から出てくる不安や恐怖、寂しさ、切なさ、むなしさ、怒り、後悔といった感情によって起こります。
しかし、この感情は経験や知識から書き換えが可能です。
先ほど挙げた著名な投資家の名言を何回も読み返しましょう。
そして、暴落相場のイメージがネガティブなものではないと脳内の思考をオーバーライトできれば、暴落相場は私たちの夢を実現するポジティブなイベントとしてマインドセットできるはずです。
さらに、この考え方に基づいて成功体験を積み重ねることができれば、個別銘柄投資家として成長できる好循環が生まれることになるのです。
私の投資戦略
参考になるかは分かりませんが、私の8月以降の投資戦略をまとめておきます。
キャッシュポジション
キャッシュポジションはXでもポスト(=投資先がないという愚痴)をしましたが、豊富です。
- 証券口座CP…130万円
- 売却予定分…250万円
- 今年の追加投資予算…240万円
約620万円ほどの余力があります。このように追加投資できる余力を本業の稼ぎで補えるのが兼業サラリーマン投資家の強みですね。
資金配分
8・9月、10・11月、12月の3つの期間に分け、各期間200万円程度の追加投資を行います。
購入銘柄
基本スタンスはもちろん「買い」です。購入候補銘柄は、こちらのページに掲載しています。
なお、直近で購入したい銘柄はXにポストしています。
昨日今日の暴落を受けて週明けに買いたい銘柄をリスト化しました。
— うえけん@高配当株長期投資家 (@okiraku_tohshi) August 2, 2024
月曜日もうひと押ししそうな雰囲気😅
久々のドレッシング買いなるか?#高配当株#配当金
監視銘柄リスト更新しました!https://t.co/qoaBz8m21c pic.twitter.com/WMFx6JoXOY
わがXではこうした投資対象銘柄を不定期にポストしています。相場が悪くなるとポストする頻度が多くなる悪癖があります。よろしければフォローをお願いします。
なお、私の監視銘柄は、ただの高配当株ではありません。
リーマンショックでも、東日本大震災でも、チャイナショックでも、コロナショックでも減配しなかった強力な高配当株です。
日々私が目検でチェックした銘柄ばかりですのでぜひ参考にしてください。
最後に
ということで今日は暴落局面における私たちのメンタルや投資行動についてまとめてみました。
今回の暴落において色々な後悔や不安もあります。
なぜあのときに売り抜けていなかったのか?なぜあの時に買い過ぎてしまったのか…
でも、暴落は誰にも予測することはできません。そして株式を持っている人全員が同じように損をしているのです。
キャサリン・A・サンダーソン著 ポジティブシフト 心理学が明かす幸福・健康・長寿につながる心の持ち方 によれば、ネガティブな出来事の原因を自分のせい、自分の欠点や至らなさのせいにしてしまう人は、ことが悪い方向に進む傾向にあると言います。
今回の暴落を投資家として成長できる機会とポジティブに解釈して、一緒に相場の荒波を乗り越えていきましょう。
今日ご紹介した書籍一覧です。どの本も私たちの投資スキルを上げてくれる良書ばかりです。