先日、ツイッターを見ていたところ、TLにかの水瀬ケンイチ氏がインデックス投資家の本を発売したと聞き、さっそく本屋で購入しました。
今日は、水瀬ケンイチ氏著「お金は寝かせて増やしなさい」のレビューを記載したいと思います。
ワタシと水瀬氏
水瀬氏はインデックス運用のブログ「梅屋敷のランダムウォーカー」の管理人。タイトルどおり大田区の梅屋敷に居住しているようですが、ワタシも20年ぐらい前に同じ京浜急行線の雑色駅周辺に住んでいた経験があります。
水瀬氏の投資スタイルはとにかくインデックス運用一筋、ということで片手間でインデックス運用をしているワタシとは天と地の差ぐらいあります。
本の内容
そんな水瀬氏の投資スタイルをそのまま本に書き下ろしたのがこの「お金は寝かせて増やしなさい」という本、まさにインデックス運用に関する知識がぎっしり詰まった水瀬氏の力作です。
正規分布、リスク許容度、有効フロンティア、近代ポートフォリオ理論など、幅広く情報が網羅されていて好感が持てます。ただ、これから株を始めたい人にとっては分かりにくい単語ばかりが目に付くと感じるかもしれません。
インデックス運用のメリット
インデックス運用のメリットは、このブログでも取り上げているように、運用に手間暇をかけない、という点。
個別銘柄によるアクティブ運用について、日々株価のチェックや決算書、業績の推移などをチェックすることが勝つ秘訣ですが、インデックス運用はアセットアロケーションを決めて毎月積み立てるだけのお仕事。
QOLを落とすことなく、生活を充実させながら資産も増やす、という点が大きなメリットです。
インデックス運用最大の疑問
ワタシにとってインデックス運用の考え方はとても理解できるのですが、ワタシの最大の疑問はいつお金に換金するんですか、という点です。
この本では、その結論がインデックス運用は株価が予測不可能であるという考え方に基づきます。
なので、換金時に儲けていたいと思うのはインデックス運用上誤った考え方である、と説きます。
でもですね、インデックス投資はアクティブ運用より儲かるとアピールしているわけです。
なのに、出口戦略として資産運用の成果を確保したいと思うことが都合の良い考え方として非難されるべきなのか、私個人としては受け入れられないんです。
山崎元氏の「超簡単お金の運用術」の中では、「資産運用を行う過程でどうしてもお金が必要となった時点ですべて売るべき」との記載がありますが、そのほうがしっくりするんですよね。
インデックス運用がインフレに負けないことを目的とするならば、資産の収縮が繰り返される中での現時点の資産は、インフレやデフレが加味された適正な資産価値を示しているから。
この本にも様々な出口戦略について例示を挙げていますが、どのやり方もしっくりする考えも示されておらず正直消化不良の状態です。
全体的には良書
この本を読む際のワタシの問題意識はさておき、この本全体を読めばインデックスについて概ね理解できる、と言っていいでしょう。
これからインデックス運用を始めたいというヒトにとっては必見ですし、株式投資経験者でも読み進めて損はないと思います。
とにかく最後まであきらめずに市場に参加すること。水瀬氏がリーマンショックでの体験談を如実に表現していますが、資産が半分になっても継続することが大事なんだと改めて思い知らされました。
これからインデックス運用を始めたい人は、そんな水瀬ケンイチ氏の本「お金は寝かせて増やしなさい」を一度手に取ってみることをおすすめします。