高配当株でも売却は必要?
今日は高配当株投資における売却ルールについて説明します。
長期投資なのに売却が必要なの?
高配当株投資は長期投資。基本買ったら売りません。
受け取った配当金を再投資に回して複利の効果で雪だるま式に資産を増やす。
そんな目的の高配当株投資ですが、もちろん、売却しなければいけない場面もあります。
今日はそんな高配当株投資における売却ルールについて説明します。
結論から言うとこんな感じです。
高配当株投資の売りのルール
- 減配したとき
- 営業利益ベースで赤字を計上したとき
- 法令違反、コンプライアンス違反があったがあったとき
それではもう少し詳しく見て行きましょう!
長期投資は目的ではなく手段である
まず、最初に言っておきたいのは、長期投資は目的ではなく手段であり、結果である、ということです。
高配当株投資は長期投資であると言いましたが、もしも、あなたがその銘柄に期待していたことが崩れるような状況になったとしますね。
つまり、高配当を期待しているのに減配したり、無配になったということね。
それを、高配当株投資は長期投資だから、という理由で無配になった銘柄を持ち続ける人はいますか?という意味です。
言い換えれば、あなたの期待を裏切った銘柄なのに、長期で持ちづつける意味はないですよね。
裏切られた高配当株銘柄の一例
- JT
- キヤノン
- 日産自動車
よく高配当株投資は長期投資だから、という理由で減配されても持ち続ける人っています。
でも長期投資は私たちの目論見どおりに進んでいるから結果的に長期投資になるわけです。
また、複利を最大化させるための効果的な手法であるから長期投資を目指すのです。
でも、その効果が半減してしまうような銘柄を大事に持ち続けるメリットって何があるのでしょうか。
あなたの期待を裏切るような会社に未練がましくホールドせずに…
投資家に安定配当をもたらしてくれるようないい銘柄に乗り換えるべき、ということね。
目論見が外れたら撤退するのは株式投資の基本。
たとえそれが損切りになろうとも売りは決行すべきと考えます。
「株は買いより売りが難しい」のウソ
よく株式投資の格言で、株は買いよりも売りが難しいというものがあります。
1円でも高く売りたい…そう思うのは投資家全員の希望ですが、これはその会社の価値に投資しているのではなく、株価の値動きに資金を投じている投機だからです。
そもそも、このように売りが難しいと思うのは、何に投資しているか、どうなったら売りかを投資する時点で明確にしていないのが原因。
高配当株投資の場合の売りのルールは明確。売りで迷うことはないはずです。
おいらにとっては売りよりも買いのタイミングのほうが全然難しいと思うんだけどな。
高配当株投資の売りのルール
高配当株投資は長期投資が基本ですが、以下の条件に該当した場合は売りと判断しています。
- 減配したとき
- 営業利益ベースで赤字を計上したとき
- 犯罪、コンプライアンス違反など重大な法令違反があったとき
減配したとき
一番よくある事例が減配による売却です。
高配当株投資の銘柄選別では、リーマンショックでもコロナショックでも減配しなかった銘柄に投資しています。
それでも、業績の一時的な落ち込みや配当政策が変更になったために減配した銘柄もあります。
2021年保有株で減配した銘柄
- 前田道路
- h.uグループHD
- 日工
- トーヨーカネツ
- 三共生興
これらはすべて売却して他の銘柄に乗り換えました。
ただ損失が出たのは前田道路だけで他の銘柄は売却益が出ています。
減配した銘柄の売買履歴
- 前田道路 2221円で購入、2202円で売却
- h.uグループHD 2,829円で購入、3,100円で売却
- 日工 614円で購入、694円で売却
- トーヨーカネツ 1,960円で購入、2,426円売却
- 三共生興 320円で購入、501円で売却
これが配当利回り4.4%以上を買いラインとして定めている効果。前田道路も昨年は1株700円の大幅増配だったので、実質的な損失はゼロということになります。
このような減配をする銘柄はさっさと切り捨て、将来に渡って安定配当を出してくれそうな銘柄に乗り換えていくのです。
営業利益ベースで赤字を計上したとき
営業利益で赤字を計上するときは本業が危ないことを示しています。
仮に配当金が現状維持でも、本業が危なければ減配のリスクは高まります。
なので年に4回発表される決算を確認し、営業利益が赤字になる見込みであることが判明した場合には、買値にかかわらずそっこー売却するようにしています。
法令違反等が判明したとき
法令違反、コンプライアンス違反で悪質な事件につながるような場合には、その銘柄を売却するようにしています。
なぜならこのような会社は、同じことを二度、三度繰り返す傾向にあると信じているからです。
あそこの自動車会社だってあそこの電機メーカーだってそうでしょ??
こちらも買値にかかわらず、長期投資にはふさわしくない銘柄としてそっこーで売却することとしています。
失敗をおそれない姿勢が重要
このように減配があったり、見込み違いで損失が出てしまうと…
自分には株の素質がないのではないかって不安に思うよね。
でも、株の世界って失敗はつきもの。というかワタシなんて7割、8割失敗ばかりですよ。
それでも生き残ることができるのが株式投資の世界のいいところ。長く続けることが大事で、続けていればいいことがあるのです。
例えば保有株のTOB。
TOBは株式公開買い付けで、その時点の株価にいくらか上乗せして買い付けてくれます。
私の保有株の中では、ソニーフィナンシャルグループとNTTドコモが該当します。
ソニーフィナンシャルHDは2016年に1073円で購入、2020年にソニー本体の完全子会社となり、TOB価格は2600円。
約4年弱で2.5倍ぐらいで売却することができました。
ドコモは2012年に1270円で購入。その後、2020年には3900円でTOBされてしまいました。株価は約3倍まで上昇しての売却となります。
株式投資を長く続けるにはストレスフリーの投資法であることが大事。
高配当株投資の売りのルールは明確ですので、株価に振り回されたり、悩んだりことはありません。
最後に
ということで今日は、高配当株投資における売りのルールについてまとめてみました。
高配当株投資は売りのルールまでシンプルです。
まだまだ売りについては検討が必要と思っています。それは配当利回りが大幅に低下したときです。
世の中の成功者の話によると、高配当株投資でも適度な利益確定は必要という見方が多いです。また、配当性向のチェックなども必要かな、と思うようになりました。
高配当株投資はまだまだ進化の途中。これからもより効率的な運用ルールとするための見直しも続けていくつもりです。