ここまで15回に分けて、高配当株の魅力や重要ポイント、実践の中で得られた教訓などをつらつらと書いてきました。
ともすれば、さっそく、高配当株を始めてみましょう!
…というと、まだ株式投資に慣れない人はこんな風に思うかもしれません。
今、株価が下がっているし、もうちょっと待った方がいいんじゃないかしら
やっぱり株って資産が減るからちょっと怖いわよね…
などと迷っているうちに、結局、やめてしまうのです。
ということで、高配当株投資を始めて10年以上のこの私が、高配当株投資を行う上での心得や心の準備についてまとめてみたいと思います。
もちろん、株を始めようと思っている人以外でも…
- 株価が下がるとビクビクして、底値で売ってしまう個人投資家
- 今ひとつ投資スタイルが定まっていない個人投資家
- 含み損が気になる個人投資家
こんな方々にも楽しめる内容になっていると思います。ご興味のある方はぜひ読み進みください。
株式投資を始めるなら「今」
株式投資、いつ始めるんですか?という問いに対する回答はひとつしかありません。
そう、「今」です。
そんなことを言うと、
「これから金利上昇局面だから買うべきではない」
とか
「これから不景気に入るから株はやめとけ」
そんなことを言う人も多いかもしれません。それでも、敢えていいましょう。
始めたいときに始めるのがベストタイミングだと。
それは少額で始めれば、仮に損失を受けてもたかが知れているからです。まずは資産の変動に慣れることから始めるべきと考えるからです。
これを実現する方法として、ドルコスト平均法という手法があります。
ドルコスト平均法のウソ
ドルコスト平均法はいっぺんにまとまった金額で投資するのではなく、投資する時期を分散させ、一定金額を積立て感覚で投資するやり方です。
このドルコスト平均法の説明として、時間を分散させて、株価が下がっても買うことで購入単価を下げるからおすすめ、なんてことがよく言われます。
でも、この説明はウソですね。
ドルコスト平均法が有利でないことは山崎元さんのコラムや書籍でも広く掲載されています。
日経平均株価のように、一度低迷期があり、その後に上昇する局面では、ドルコスト平均法が優れた投資法のように見えます。
でも…
一気に株価が急騰するような局面では一気に購入したほうが有利です。
逆に…
株価が永遠に下がり続ける場合は、ドルコスト平均法による投資でも含み損ばかりが増えるだけ。
ドルコスト平均法により投資回数を増やすことで、投資単価は上がるケースや、
積み立てれば積み立てた分だけ含み損が増えるケースもあります。
そもそもドルコスト平均法は株価が下がったあとに上昇することが前提となっている理論です。
ドルコスト平均法は投資手法としては有利でも不利でもないのです。
含み損に慣れる
ドルコスト平均法のメリットは、単価が下がる、時間を分散するということではありません。
ドルコスト平均法のメリットは二つだと私は思います。
- 資産変動に慣れる
- 自分のリスク許容度を図る
リスク許容度は個人差がある
株価がどのくらい下がっても耐えられるのか、それは人によります。
昨年末、久々に旧友にあって、2020年3月のコロナショックの話題になったときのこと。
いやあ、あの時は毎日100万単位でお金が減ってくんだよー。いやあ、大変だった(笑)
なんて話をすると、「お前はいくら株にお金突っ込んでんだ?」「お前大丈夫なのか」なんていぶかしげな顔をされるわけです。
もちろん、全然大丈夫なわけないんですけど、なんとか耐えて今もこうして株式投資をやっていますから、なんとかなったわけです。
致命傷で済みましたってヤツねーーー
だから、50万円の含み損があったとしても…
- 資産100万円しかない人
- 資産1000万円しかない人
では、50万円の含み損に対して悲観的に思う度合いも違ってくるはずです。
また、汗水流してやっと貯めた100万円なのか、たまたま宝くじが当たって使い道がないから株を買ってみた100万円なのか、これによっても感じ方が変わってきますよね。
決して宝くじを買うように推奨しているわけではないですよー
含み損が気になる根本的な問題
含み損が好きという人はいないと思いますが、
「含み損が気になって仕事が手に付かない」
「株価が下がり過ぎて不安、憂鬱だ…」
そんな人はリスクの取り過ぎが原因です。
そんな人がまずやるべきことは…
生活に支障が出ない金額まで投資額を減らすことです。
ネットや雑誌、書籍などを見ても、株価が下がっても安いところ売ってはいけない、なんてことを言う人がいます。
私はこの言葉に「よくそんなこと言えるな」と思うわけです。
このことは確かに正論で、かのウォーレン=バフェットも
「投資の利益は忍耐に対する報酬だ」
と言っています。
チャールズ・エリスも、
「投資家は『稲妻が輝く瞬間』に市場に居合わせなければならない」
そう言っています。
でもね、そもそも自分の生活を豊かにするための資産運用。なのに株価に気を取られて気が滅入ることがあっては本末転倒ですよね。
まずは精神的に安定している中で、自分は株式投資と対峙できているのか、まずは自分に問いただしてみるべきです。
リスク許容度は実践で模索する
リスク許容度は人によって異なります。
- しょせんあぶく銭だからゼロになってもいい、という人
- 株式投資の成功体験がある人
- 株式投資で絶対に損したくないと思っている人
あなたはどのタイプでしょうか?
これらは、Amazonで本を買って読んでも、売買シミュレーションをやってみても分かりっこないです。
まずは少額で始めてみることです。そして実践の中で鍛錬を積むのです。含み損が出ても数千円、数万円程度で収まるでしょう。
こうした実践の中からリスク許容度を図ることになります。なので、今すぐ株式投資をやるべきなんです。
他人と投資成績を比べない
大事なことは、自分のペースとルールで株式投資を始めることです。
自分の成績が低迷している中、ネットでは自分よりも断然すごい運用を続けている人もたくさんいます。
そんな姿を見て…
ああ、こんな成績なんて、私は株式投資に向かないのではないか?
なんてしょげてしまう個人投資家もいるかもしれません。でも、そんな人たちに張り合う必要はないんです。
株式投資の目標や目的が違えば、当然投資スタイルも異なってきます。
投資成績を左右するもの
株にかける時間、資金力、キャリア(経験)、知識、センス、スキル
生活スタイル、家族構成、目標額
運、相場観
などなど
我が家のように子ども2人育てながら共稼ぎって、なかなか株にかける時間なんてほとんどないんです。
それなら専業のスーパーデイトレーダーの真似事なんて絶対にできません。
私の愛読書であるサイコロジーオブマネーという本でも、投資手法が違うのに人と成績を比べることは害悪であることと述べています。
投資の目的や目標額は人さまざまです。
ムリして自分のできないことにチャレンジするよりも、自分の身の丈にあった投資スタイルを考えるべきです。
わが家はそんなこんなでスローな高配当株投資に落ち着いたんだよね。
高配当株投資の心得
これまでご紹介した内容を踏まえて、私が実践している高配当株投資についてまとめてみます。
高配当株投資は値上がり益は二の次
私が実践している高配当株銘柄の株価は本当に上がりません。そう、見事なくらい上がらないです(なぜか二度言う)
高配当株投資は人気度が下がっている銘柄ばかりを買い込みます。
なので、人気化するまでに時間がかかります、いや、人気化すること自体がないことかもしれません。
高配当株は会社の利益のほとんどを配当金として株主に還元する会社が多いです。
会社の利益や成長につながる内部留保がほとんどない場合、株価が上がりようがないーこれは普通の考え方です
以前の記事でも書きましたが、もちろん、高配当株で値上がり利益をあげることができます。
でも、どちらかというと、キャピタルゲイン狙いは二の次で後からついてくるものだと思っておくべきです。
なので、マザーズやJQ市場など、株の上下が激しい銘柄と同じようなスリルや成長期待を持つべきではないです。
達成目標は入金力
経済的自由を目指す私たちにとって、億り人はひとつの憧れです。
でも、配当金生活を送るためには…
- 今の資産がどれぐらいか
- 年初来パフォーマンスがどれぐらいか
これらの指標は株式運用で成功したかどうかをチェックする機能ではあるけれど、配当金生活にはあまり関係がないです。
例えば資産の大半が含み益だとしたら、その含み益は配当を生んでくれるわけではありませんね。
例えば、資産の4%で食べていくという一般的なFIREの考え方によれば、
含み益総資産1億円よりも、配当利回り4%の銘柄を1億円分買っていくイメージのほうが理想に近いです。
兼業投資家である我々にとっては求められることは
- まずはしっかり仕事をしてしっかり稼ぐ。
- もらった給料をガンガン株式投資に突っ込む
こんな感じでリスクを取っておくことで年間4%の生活費を配当金で補っていけるだけの資産を築いていきたいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。それでは今日のまとめです。
今日のまとめ
- 株を始めるタイミングは「今」
- リスク許容度を図る
- 他人と運用成績を比べない
- 高配当株投資は値上がりしないことを忘れない
- 兼業サラリーマンのメリットを生かし、いっぱい稼いで入金する
ここまで読めばあなたも個人投資家。
いよいよ高配当株投資にチャレンジしようではありませんか。あなたも高配当株投資、始めませんか??
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