読書感想文

「投資で一番大切な20の教え」は株価が不安定な今だからこそ熟読すべき良書

日本株は相変わらず不安定な動きをしていますが、みなさんお元気ですか?

この今週一週間の下落でもって、かなり資産を溶かした方も多いと思います。

もちろんワタシもこの例外ではなく、ポートフォリオは赤字だらけになってしまっています( ;∀;)

こうした暴落は毎年何回か起こっているのですが、暴落局面でワタシが一番心がけていることがあります。

それはこの暴落でもってどう次に活かすか?ということ

暴落局面では含み益は消え、損失から免れることはできません。それならばせめてもの代償として、投資についてお利口さんになっておかないと割が合わないじゃないですか。

ということでない知恵を絞って、いろいろと反省点を絞り出していました。

しかし、反省を繰り返しているうちに気付いたことがあります。今こうして思考を促していることって次の暴落局面での再発防止につながるのか?という点です。

時には考えることをやめようと思い、何気なく書斎に行って手に取ったのがこの本。

かなり前に買った本ですが、ふと目を通してみると、今ワタシが直面している疑問のことが書いてあるではないですか。

「投資で一番大切な20の教え」を読んで感じたこと

改めてこの本を読み進めていくと、リスク管理という項にぶち当たります。まさに今個人投資家に求められることではないでしょうか。

今こそ考えるリスク管理の意味

―あなたが心がけているリスク管理って一体なんですか?

もし、答えに窮するようであれば、リスクについて一度よく考えてみることをおすすめします

とりわけワタシにとってのリスク管理とは資金のコントロールを指します。

でも、実際はなかなかうまく行かない。例えば資金コントロールのつもりが結局うまくいかなかったことって結構あると思うんですよね。

時には、リスク管理の一環として損切りしたあとに株価が急騰したり。

時には、ワタシの売ったソコが底だった、とか。

あー、もう損切りとかするんじゃなかった、なんてね。みなさんも経験があるはず。

じゃあ、その損切りは失敗だったのか?重要なのはそのリスク管理がうまく行っているのかをキチンと評価できるのか、という視点です。

マークスのリスク管理の考え方

このような視点に基づいて、ハワード・マークスが述べるリスク管理について、ワタシが感銘を受けた点をまとめておきます。

リスクのあまのじゃく現象

株式市場が活発になり、株価も上昇する中で、「株式投資は簡単」「株を持たざるリスク」といった言葉が散見されるようになります。

まさに人々が注目し始め、リスクに対する見方が薄れる中で、株価の上昇が上昇を呼び、リスクが高まることになります。

逆に、不況などで閑散とした株式市場において、「株は怖いから買わない方がいい」「下がり切るまで待とう」など、人々が高いリスクを感じたときにリスクは低くなります

これをリスクのあまのじゃく現象とハワードマークスは命名しています。

このような世間一般の風潮に囚われることなく、まさにハワードマークスがいう二次的な思考に基づいて、正確にリスクを見積もる能力が求められます

株価が高い時もリスク管理を行う

なので、リスク管理とは株価が下落してから行うものではなく、株価が順調に推移しているうちから売りを出すなどの工夫が必要になります。

ハワードマークスが言うリスク管理とは、株価下落による損失によるリスクです。株価が急騰して幸せな気分に浸っているときこそリスク管理を徹底しなければいけまぜん

例えば買値から10%下落したら損切りという一般的なルールはよくありますが、これだけでは不十分、ということになるわけです。

リスク管理の拠り所

リスクは決して目に見えるものではない、そんな中、どうリスクと向き合うのか?という命題があります。

損切は予見できたから断行できたもの。逆に自分では認識できなかったリスクは見逃して、リスク管理しなかったことが結果的に正解だったケースもあるはずです。

なので、損切りして失敗したという一つの例だけを持ち出して、リスク管理がまずかった、と過剰に反省するべきではない、というのがハワードマークスの考え方です。

じゃあ、なんのためのリスク管理なの?

リスク管理の成果は、リスク管理をしている事実だけしかないというのがハワードマークスの考え方です

リスク管理の一環として売却した株が上がったとしても、リスク管理の代償です。むしろこうした代価を払ってこそ優秀な投資家であり、投資家はリスク管理を徹底した結果、どれだけ損失を出したかによって評価される、そうハワードマークスは説きます。

試行錯誤が続くリスク管理

この本によると、どれだけパフォーマンスを向上できたか、というよりも自分の定めたルールに忠実だったかを尺度にして満足するしかないということになります。

なんとなく煮え切らない答えですね…

投資家の投資行動は、過去の経験や知識から「確からしさ」のもとに続けています。結局、リスク管理とは投資家それぞれで考え方が異なるので、しっくりとする考え方に至るまでは試行錯誤の連続なのかもしれません。

投資で一番大切な20の教えはそんな素朴な気づきなど投資脳への刺激を与えてくれる良書だと思います。

この暑い夏は、読書でリテラシーを向上させる、なんていうはいかがですか?

「投資で一番大切な20の教え」の読書と株式投資の試行錯誤はまだまだ続きます。