今日は高配当株投資実践例をご紹介します。
これまで9回に渡って、高配当株投資の概要をまとめてきました。
でも、実際に株を買おうとしても、どうしていいか分からない、という方もいるはず。
こんなときは実際にどのようにして投資に至ったかを実際の銘柄をもとに解説したほうが分かりやすいですよね。
ということで今日は、過去のワタシの実践例をご紹介していきたいと思います。
以前の記事でも書きましたが、高配当株の勝ちパターンは3つ。
- 市場全体が暴落・軟調に推移しているとき
- その会社の業績が一時的に悪化しているとき
- 不人気で相場からそっぽを向かれている会社
それでは順番にご紹介していきましょう。
事前準備編
日々、監視銘柄一覧で配当利回りをチェックします。
配当利回り4.0%程度まで株価が下がった時点で監視銘柄入りとします。
監視銘柄は、高配当株投資の2つの条件を満たしていることとします。
- 過去10年間営業利益ベースで赤字がない
- 2009年以降減配がない(記念配、特別配を除く)
この監視銘柄はご自身で用意するのはなかなか大変なので、本サイトで監視銘柄リストを日々更新していきます(現在工事中)。
あとはチャンスが来たらスムーズに入金できるように投資資金をキープしておきましょう。
勝ちパターン1: 市場全体が暴落・軟調に推移しているとき
直近の例で言えば、やはりコロナショックでしょう。
2020年2月末から一直線で売られ、日本株の多くが20%、30%下落も当たり前といったひどい相場となりました。
監視銘柄は、高配当株投資の条件である配当利回り4.4%を超える銘柄であふれていました。高配当株投資家は、こんなときこそ、買い注文を出さなければいけません。
2020年2月から5月にかけて購入した銘柄
- 1518 三井松島HD
- 4725 CAC-HD
- 4972 綜研化学
- 4972 ユニプレス
- 8242 H2Oリテイリング
- 4636 T&K TOKA
- 5975 東プレ
- 6371 椿本チェイン
- 8904 AVANTIA
- 7552 ハピネット
このような暴落局面では、購入条件を満たす銘柄がたくさんあるので、以下のような観点で購入する優先順位を決めることとしています。
- 組入れが少ないセクター
- 配当利回りの高さ
- 最低投資額が少なくて済むもの
- 配当利回り4.4%水準までめったに下げない銘柄
高配当株投資の場合、どうしても卸売や金融系銘柄が多くなりがちです。
このことから、現在持っていないセクターを優先的に購入するのです。
一般的に高配当銘柄が少ないセクターは以下のとおりです。
- 電気
- 化学
- 機械
- 小売
こうしたセクターの銘柄を優先的に購入するように心がけています。
また、運用資金に関しても、2回から3回に分けて購入できるように、投資するペースも考えました。
このような観点で投資した高配当株投資ですが、個別にみると約半分ぐらいが損切りとなってしまったのです。
銘柄 | 買い | その後 |
1518 三井松島HD | 1,120円 | 保有継続 |
4725 CAC-HD | 1,314円 | 保有継続 |
4972 綜研化学 | 1,253円 | 保有継続 |
4972 ユニプレス | 1,223円 | 8月損切り(777円) |
8242 H2Oリテイリング | 893円 | 11月損切り (648円) |
4636 T&K TOKA | 763円 | 8月損切り(740円) |
5975 東プレ | 1,349円 | 5月損切り(1,341円) |
6371 椿本チェイン | 2,653円 | 8月損切り (2,295円) |
8904 AVANTIA | 648円 | 保有継続 |
7552 ハピネット | 1.040円 | 保有継続 |
特にひどいのはユニプレス、椿本チェイン、H2Oリテイリングで、かなりの損失を被ってしまいました。
こう見るとやっぱり株って怖いよね…
と思うヒトもいるかもしれませんが、 三井松島HD以外は含み益状態です。
- 常に入金できる態勢を整えておく
- セクターや最低投資額の低い銘柄を中心に優先順位を決める
- できるだけ多くの銘柄に分散投資する
うまく行かない銘柄もありますが、分散投資によってそれ以上のリターンもゲットできるはずです。
勝ちパターン2: 業績が一時的に悪化しているとき
最近の事例では東京産業が該当します。
2020年春のコロナショックによって大きな打撃を受けた銘柄は多々あります。東京産業もそのひとつ。
2021年3月期第一四半期決算は大幅減収減益となりました。
これを受けて株価は軟調。ただ、この銘柄、2009年以降減配はなく、過去10年間営業利益赤字はありませんでした。
その後株価は戻り基調。2021年3月期決算見通しは、コロナショック前の業績まで回復見込み。
それ以外にも、
- 最大7.2%の自社株買いを発表
- 光通信が保有割合増加のプレス発表
- 再生エネルギー関連銘柄として注目を浴びる
など業績のV字回復にあわせて株価インパクトのあるニュースも舞い込むようになりました。
現時点でも業績V字回復銘柄をいくつか保有していて、
- 三井松島HD
- ヨンドシーHD
- セブン銀行
- 三機工業
などがコロナ後の業績回復期待で保有中です。
注意点としては、コロナショック前と同じような生活様式、ビジネスに戻るかどうかは保証できないという点です。
業績回復を見ないまま、そのまま業績不振に陥る可能性もあることをリスクとして考えておくべきでしょう。
勝ちパターン3: 不人気で相場からそっぽを向かれている会社
これは昨年秋のスマホ関連銘柄が該当します。
昨年秋に政府はスマホ代を2割下げると発表。これを受けて収益の悪化を懸念した売りが殺到。
NTTやKDDIなどの大手通信事業者が軒並み売られる展開になりました。
株価は、中間決算の権利取り直前にも関わらず急落。ワタシはそこでKDDIとNTTを100銘柄ずつ購入しました。
しかし、株価はその後も堅調。
2021年3月期決算では、KDDIが最高益、NTTが増配を発表するなど、その時の暴落はいったいなんだったんだ?という印象です。
それ以外にも万年高配当株という銘柄もあります。私の保有株の中では…
- フォーバルテレコム
- セブン銀行
- J-POWER(電源開発)
- コネクシオ
- 三機工業
- 伊藤忠エネシス
これらは常に配当利回り4.4%から5%の株価水準を保った状態です。こうした銘柄をコツコツ買い進めるのもよいやり方だと思います。
最後に
ということでまとめです。
高配当株投資でうまくいくための方法
- いつでも証券口座に入金できるように投資資金をプールしておく
- 監視銘柄を継続してチェックする
- チャンスが来たら、決断できる勇気を持つ
- 失敗したらできるだけ早く撤退する。
この4つを行動できるように日々努力していきましょう。