高配当株はやめた方がいい…
高配当株はゴミ…
そう批判されると、高配当株投資をやっている人間としては不愉快な気持ちになります。自分の信じている投資法が批判されれば誰もがそう思うはず。
このような批判は、特にインデックス投資家に多いようで。インデックス投資はやることがないとはいえ、人の投資法にちょっかいを出すのはやめてほしいのが正直なところです。
最近、高配当株投資家である私はこのように高配当株投資を批判するポストやブログにハマっています。
・高配当株 やめとけ
・高配当株 おすすめしない
・高配当株 非効率
・高配当株 ゴミ
などなど時間があるとググってはその人のブログを読み漁ってます。
最初は、この批判のモチベーションはどこから来るのか?と疑問に思っていたんだけど、読んでいるうちになぜ彼らが高配当株投資を批判しているのか少し理解できるようになってきたんです。
また、理解するどころか、批判される原因は高配当株を推奨するユーチューブ動画やネットメディアにも原因があるのではないか、と思うようになりました。
今日は、そんな高配当株投資批判について、私が考えることを述べていきます。
【自己紹介】
・2012年から高配当株投資を開始
・基本買ったら売らない長期投資家
・配当金は再投資、複利が基本
・2024年のわが高配当PFは年初来+30.01%
なお、ご意見・ご感想はX(元Twitter)までお願いいたします。
Tweet to @okiraku_tohshi基本的に批判する人は暇人?

批判に対するモチベーションはどこから来るのか?
正直、人のことを批判しても幸せになれない。批判している暇があったら、投資戦略を練るとか、読書をしたりとか、ウォーキングしたほうがよほど充実した時間を過ごせるはず。
高配当株投資を批判する記事とか軽く1万文字を超える大作もあったり…
これだけのボリュームなら最低でも2,3時間はかかるでしょう。データの裏取りも含めれば、書き上げるまでに数日間を要するかもしれないです。
なぜ、たかだか高配当株投資批判のために貴重な時間を消費しようと思うのだろう?とても不思議に感じますよね。
モチベーションを高める3つの原因
そんな疑問を持ちながら、彼らのブログを読んでみる。なるほどと感心する意見もあれば、意味不明でトンチンカンな記事もあります。
さすがに高配当株なんかやめてビットコインを買え…みたいなブログには辟易しましたが。
昨今、まれにみる高配当株投資ブーム。アクセス数をいかに稼ぐかが最重要であって、あなたをお金持ちにさせようなんてこれっぽっちも思っていないのです。
そんなブログやXのポストを読み続けていくと、高配当株投資を批判している人って、以下の3つのパターンがあるように感じます。
- インデックス運用だけが正義と思っている人
- 投資で大きな利益を上げて自信過剰になっている人
- 高配当株で失敗した人
インデックス運用だけが正義だと思っている人とは話になりません。何を言ってもインデックス投資こそ正義で、アクティブ運用は非効率だと信じているから。
投資で大きな利益を上げて自慢したい人もいます。たかだか4%の配当利回りで満足するセコイ投資法なんてくそくらえ、俺なんか数か月で◎倍の資産を築いた…といった感じ。
こうした人は、ただ自慢したいだけなので、特に聞く耳は持たないほうがいい。
問題は3番目の高配当株で損した人の意見です。実は、この意見、耳を傾けると、世間一般でいう高配当株投資の負の部分が見えてきて、反論というよりも、同感!という気持ちが強くなってきました。
高配当株投資推しの問題はこれ

私も高配当株投資を実践して10年以上経過、ときどきYouTube動画や書籍を拝見するのだが、中には内容がヒドイものも多いです(一部の優秀な投資家さんを除いて)。
私の眼から見ても「これはヒドイ」と思われる内容を7つ列挙してみましょう。
なお、本項では、役に立たない高配当株の書籍やYouTube動画をたれ流す人々を「彼ら」と呼んで進めていきます。
問題点1:高配当株を過剰評価しすぎ
・高配当株投資は簡単で初心者向け
・高配当株で配当金が簡単にもらえる
・高配当株で老後の備えも万全
・高配当株でFIREもできちゃうかも?
・高配当株は新NISAに向いている
彼らはこんな耳障りの良い名文句を並べては高配当株を囃し立てます。
で、実際にやってみると意外と難しいことに気付くのです。そして、大きな利益を上げるどころか、大きな含み損を抱え、これに耐え切れずに大損をこくこともあるのです。
すると、態度は一変、高配当株はうまくいかない、全然儲からない、高配当株なんてゴミ!という意見になるのです。とっても理解できますよね。
問題点2:運用成績を公開していない
彼らは、推奨銘柄や保有銘柄は公開しても、年間の運用利回りはどうなのかを公開していない人が多いです。なんかずるいですよね。
確かに高配当株投資の目標はどれぐらい配当金を受け取れるかが重要です。
でも、高配当株投資も株式投資である以上、保有銘柄の値上がり益も含めた運用利回りを公開するべきです。
配当金にこだわりすぎて含み損だらけのPFでは株式投資をやっている意味がないです。
その実態が分かれば、これから株を始める人もやっぱり高配当株はやめといたほうがいいなって思いとどまるかもしれませんね。
問題点3:大型株投資を推奨する
なぜ、高配当株投資で損をするかというと、NTTやソフトバンクとか三菱商事とか彼らが推奨しているような銘柄をパクっているから、という事実に早く気が付いてほしいです。
下図は、2024/1/15 ~ 2024/1/19までのSBI証券取引上位ランキングの銘柄の一覧表。過去1年間の騰落率もあわせてまとめてみました。

いかがでしょうか、金融系の銘柄を除けば惨憺たる結果。この一覧表を見れば、高配当株投資なんてやめたほうがいいって言う気持ちも分かりますよね。
この中には、「死ぬまで持ち続けたい銘柄」とか「絶対持ちたい安定配当銘柄」とか彼らが紹介している高配当株投資銘柄が多く含まれてますね。
もしも、昨年の今頃に、「新NISAで買うべき高配当銘柄10選」みたいなYouTube動画に踊らされて、そのまま購入していたら大変な目にあっていたことになるのです。
問題点4:成熟企業への投資を優先する
彼らには高配当株投資には成熟企業に投資しなけばならないような固定観念があります。
しかし、現実的には、この4つのステップを明確にするのは難しいです、というかあまり意味がない。
例えば、会社として成長期にある銘柄がXXショックによって株価が半分になったら、立派な高配当株にもなりえます。
また、衰退期と思われた会社の技術が最新技術に応用されて業績が急回復するケースだってあります。最近で言えば、土建業のデータセンター需要や下水道需要などがそうですよね。
もしも、配当政策や株主還元に積極的な投資先よりも成熟企業と言われる銘柄への投資にこだわるならば、あなたは大きな獲物をまんまと逃すことになるのです。
問題点5:売買タイミングが明確でない
ここまで触れてきたように、彼らは高配当株投資は初心者でも簡単と風呂敷を広げておきながら、
・運用成績は不明
・推奨する銘柄は上がらない
こうした事実を隠すためなのか、高配当株は値上がりしにくいことをデメリットとして挙げています。
でも、私の高配当株PFを見ていただければわかるとおり、保有株のほとんどが含み益状態で、2倍、3倍は当たり前の損益率です。
結局、配当利回りはあなたの買値で利回りが決まるのです。タイミングよく買えれば、高配当かつ含み益のダブルどりも難しくありません。
要は高配当株投資はタイミングが全てなのです。
大型株を例に挙げるなら、XXショックや一時的な業績悪化によって株価が調整するまでは手を出すべきではないです。
推奨された時点が買い時というのは大きな間違え。
みんなが見向きもしなくなったとき、相場全体が恐怖や不安に包まれた時が本当の買い場になるのは高配当株投資でも当てはまる事実です。

問題点6:配当利回りの低い銘柄も含まれている
NTTは安定配当銘柄だけど、配当利回り3.58%(2025年2月10日現在)。三菱UFJも配当利回りは2.39%、どちらも高配当とは言えないですよね。
でも、彼らはなぜかこうした大型株を高配当株として推奨することが多いです。
その理由は不明ですが、想像するにこんな理由が考えられます。
- 大型株は潰れないと考えられている
- みんなが推奨しているから推奨しやすい
- 大型株は有名な企業が多くなんとなく安心
- 大型株のほうが株主を重視しそう。
こうした群衆心理が働くせいでしょうか、はたまた、知っている会社や聞いたことのある会社なら安心感があるのでしょうか、いずれにしても、投資先として適正かは別の話し。
そして、含み損を抱えながら、わずかな配当金に甘んじることに…。そりゃあ、高配当株も面白くないと思うはずですね。
問題点7:銘柄選びの根拠が不明である
彼らは高配当株を選ぶ際に、したり顔でこんなことを言います。
・営業利益は10%以上、ROE10%以上あると優良株です
・自己資本比率は50%以上あると安心です
・過去EPSが右肩上がりの銘柄に投資すべきです
・流動比率は200%以上あると安心です
なぜ過去の成績が優秀だと将来の投資先として安泰だと考えてしまうのでしょう。過去は未来を保証しないと誰もが分かっているのに。
また、これらの条件を満たす銘柄のパフォが優秀と言ったデータがあるわけでもないです、自分で調べてみましたから。

人間には、複雑なことに魅力を感じ、知的刺激を求める、複雑だがあまり効果のないものを好み、単純だがとても効果のあるものを過小評価する傾向があるといいます。
無意味なことを学んでも、高配当株で成功するとは限らないのです。
結局、最後は自分の力

最後に、私がなぜ高配当株投資を続けているかというと…
・単に配当金というお金が降ってくるマネーマシーンを構築したい
・私たちが積み立てている年金がインデックス運用なら、一部の資産をリスク資産に振り向けたい
・高配当株投資でインデックスを上回る運用成績をあげたい。
この一心で高配当株を運用しています。
もちろん、新NISAではSP500連動の投信を買っているし、iDECOではVTIを購入しています。
自分の投資スタイルと違うからと言って排除するのではなく、柔軟な心を持って運用を続けていきたいですね。
なお、ご意見・ご感想はX(元Twitter)までお願いいたします。
Tweet to @okiraku_tohshi