今日は話題の本、弐億貯男氏の10万円から始める! 割安成長株で2億円についてレビューしたいと思います。
この本を読むと2億貯まるの?あたしも読んでみようかな。
いやいや、本を読んで真似ただけで成功できるぐらい株式投資の世界って甘くないっ。こんなことは言うまでもないですね。
でもね、この弐億氏のこの本、Amazonの評価でも★3.4とそんなに悪くないのですが、投資ネット界隈ではあまり評判がよろしくありませんで。
そんなことも踏まえて、株式投資17年目の私が弐億氏の本を読んだ感想を率直にまとめてみたいと思います。
弐億氏の本の評判がなぜ悪いのか?
このような書評は意味をなさない
Amazonの書評などを読むと…
- 内容が薄い
- 熱意が感じられない
- 立ち読みでも十分な内容
- ブログを読んでいれば十分。買う必要がない
こんな辛辣な声が並びます。でも、このような株本のレビューを見るたびにワタシはいつも疑問に思うのです。
本を読むだけではなくて実践して評価せいよ、と。
弐億氏の本の中でも投資で利益を上げられるためのやり方がちりばめられています。ひょっとしたら、この本に書いてあることを参考に熱意をもって取り組んでみたら、今の運用成績よりも向上する可能性だってあるわけです。
初心者向けの本である
その本が良書かどうかは人によって異なります。
この本自体は初心者向けに書かれている本なので、投資に精通した個人投資家には退屈なはず。でも、それだからと言って=内容が悪い、というわけではないです。
株の世界にはビギナーズラックがあって、昨今のコロナ禍で大儲けした個人投資家もいるはず。
逆にコロナ禍でやらかして大損した個人投資家もいるはず。
XXショックのような相場の過渡期・分岐点では、株を始める個人投資家も増えてきます。また、この数か月間は誰でも儲かる相場でした。ただ、これからは違います。
コロナ禍で株を始めた初心者が自分の投資スタイルを築くためにはどうしたらいいのか、弐億氏の本にはそんなヒントがいっぱいちりばめられているのです。
運と思うか実力と思うか?
弐億氏の売買履歴を見ると利益の多くをチャームケアで挙げていることが分かります。
これをたまたま運が良かっただけととらえるのか、それとも俺も第二のチャームケアをみつけよう!と思うかは読者の自由です。
株の世界では運は不可欠です。でも、運だけで終わらせてしまっては成長はないし、ただの妬み(ねたみ)でしかないです。
前向きに10倍株を買うためには何が必要なのか、そんなイメージで読むとまた景色が変わってくるはずです。
イナゴタワーの温床?
弐億氏がブログで銘柄を発表すると株価が上昇することで有名です。また、少し前ではZEPPYチャンネルでも問題になりましたね。
あまりこのことを長く話すつもりはないのですが、株は自己責任なので、それを参考にして買うかどうかはその人の自由だし、発信するのも自由と言うのが私の意見です。
また、時に全然関係のない投資家が「株価のつり上げ」「初心者を落として入れている」など批判を浴びせる光景も目にします。
ワタシに言わせれば、よほど暇なのか、妬みなのか、よくわかりませんね。コロナ禍の自粛警察にも似ている光景です。
よほど体験記にしてしまったほうがよかった?
ただ、この本を読んでワタシとして気になる点もありました。
この本は弐億氏の投資スタイルのお話でいいんです。なので「私はこうして2億儲けました」というタイトルにしてしまったほうが良かったのではないか、という印象です(まるでニコラスダーバスのように)。
例えば、
・社長会見を見るときにどのようなポイントに着目したらよいか
・会社HPや中期経営計画の着目すべきポイントはなにか
。ファンダ分析のコツ
など弐億氏の経験談として知りたかったファンも多いはずでそのあたりをもう少し掘り下げて知りたかった読者も多いはず。きっと消化不良に感じたはずです。
また、定量分析的な記載もありましたが、再現性を考慮したせいか、あいまいな表現も目立ちました。象徴的な例としては…
- 損切りラインはケースバイケース
- コロナショックのように緊急事態の場合は動向を見ながら売買する
ワタシはこう察したからこうした、ということを書いてくれれば読み手も理解できるのですが、定量的・再現性を考慮したせいか、このようなあいまいな書かれかた散見されていて少々残念に思います。
私たちが株本に求めること
どうもいろんな株本をレビューを見て感じることは、その株本をそのまま真似ればうまく行く、と思っている人が多いのではないか、という点です。
そんなんでうまく行ったら全然苦労しないわ。
ベストな投資法は個人の生活スタイル、目標金額、リスク許容度によって異なります。それにあわせて投資法も自分にあったものにカスタマイズしていくことが求められます。
株本を参考して自分なりの投資手法を築き上げていく、そのためにこの本から何を学べるか、そうした姿勢が投資スキルアップにつながるのではないか、そう、確信するのです。
まあ、時々どうしょうもない株本に当たるときもあるけどね…(どの本とは言わない)
最後に
ということで今日は、弐億貯男氏の10万円から始める! 割安成長株で2億円についてレビューしました。
これから株を始めたいひと、株を始めたばかりでもう少し勉強したいひとにはうってつけの一冊です。
ぜひ、本屋さんで手に取ってみてはいかがでしょうか。
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