今日はDOEという指標について調べてみることとします。
なぜ、DOEを調べてみることにしたのか?
それは、とある銘柄が配当方針をDOEに切り替えるという決算説明があったためです(結果は減配)。
DOEについては、数年前から存在自体は知っていました。
ただ、最近、配当政策として採用する銘柄も増えているとのこと。初めて私の保有株も採用することになった今、ちゃんと調べてみようと思ったわけです。
ネットで調べたところ、DOEは投資家にとって有利で、配当政策として取り入れる銘柄は買い!とまで言っているサイトさえあります。
そんな風には全然思わないんだけどなあ…
ということで、高配当株運用を実践中の私が、このDOEのメリットやデメリット、株式投資への活用方法などについてまとめてみたいと思います。
DOEとは何か?
DOEってそもそも何なのよ…??
DOEとは自己資本(株主資本)配当率と言われるものです。英語で言うと
Dividend On Equityの頭文字をとったものですね。
言葉通り、株主資本に対する配当金の割合を指したものです。
DOE (Dividend on Equity Ratio)=配当総額(D)/自己資本(E) = 配当性向(D/R)×ROE(R/E)
こちらはバランスシートになります。賃借対照表の右側の自己資本の部分、
自己資本103,087百万円に対する配当金として支払う金額の割合のことをDOEというわけです。
上図はマネックスのサイトから引用したものですが、自己資本と純資産を区別していないようにも見えます。その辺のことは説明を割愛します(長くなるので)。
DOEが賞賛されるわけ
このDOEですが、配当政策として設定される場合は、DOE6%をメドに…みたいな言い方をします。
例えば、H.U.グループホールディングスの決算説明資料ではこのように書かれています。
これまでよく見られるのは配当性向を配当政策の基準とするやり方です。
よく見る、「配当金は配当性向30%をメドとします…」みたいな奴よね。
でも、純利益はブレやすいために、配当性向を基準とすると配当金も不安定になりがちです。その点、DOEを採用すれば…
- 株主資本は純利益ほどブレない
- 赤字でなければ株主資本は増える
- よって安定した配当金がもらえる
こんなメリットが株主側にもある、ということになります。
わが家の高配当ファンドとDOE
DOEのメリットとデメリット
私自身、高配当ファンドとして自前で個別銘柄に投資してきたわけですが、DOEだから配当政策として素晴らしとかは全然思わないんですよね。
例えばDOEを指標とするならば、純利益が増加してROEが2倍になっても配当性向も2分の1のまま済むといったことも可能になってしまうのでしょうか?
もしも有効に機能させるとしたら、先ほどのh.u.グループのように配当性向とセットで考慮されるべきですね。
いずれにしても、配当金として安定感は増すのは確かですが、恩恵を受けられない場面も想定しておいたほうがよさそうです。
DOEよりも重視すべきこと
株式投資には、その銘柄の収益に投資するのか、配当金に投資するのか、といった様々なアプローチがあります。
一番忘れてはならないことはDOEどうこうよりも配当政策なんて自由に変えられるという現実です。
例えば、累進配当施策を取りますって会社が宣言したところで、業績が悪化したところであっさり取り下げる会社というのもいましたよね。最近では昨年のコロナショックとかそんな会社がありましたね。
そうした指標以前の問題として、その会社が株主還元策として配当をどのようにとらえているのか、決算説明資料とか中期経営計画などを読んでチェックすることが重要ということです。
H.U.グループホールディングスの投資判断
配当政策の変更はともかくとして、わがファンドの運用方針として減配は売りというルールがあります。
我が保有株のH.U.グループホールディングスの配当はコチラです。
2021年3月期は特別配当もあって増配となりましたが、2022年3月期は前々年以前の配当金130円に比べて5円減額されて125円となりました。
配当政策の変更とは言え、配当金の増配傾向は終了。この時点で売りとすることとしました。
最後に
ということで今日はDOEについて確認してみました。
DOEを採用する銘柄というのもこれから増えてくるかもしれません。
配当利回りや株価ばかりに目に配るのではなく、その会社の株主還元策や配当金に対する考え方もチェックした上で投資判断を下していきましょう。