今日は、会社四季報オンラインのプレミアムプランは加入する価値があるか?価値がないのか?についてまとめます。
私が会社四季報オンラインに加入したのは2021年1月のこと。
今は亡き会社四季報CD-ROMが休刊になったため、試しに申し込んでみたのがきっかけです。で、なんだかんだ言って現在に至るまで利用し続けています。
東洋経済ホームページ9/30付け 会社四季報CD-ROM』休刊のお知らせ
実は、会社四季報オンラインに関するこの記事、2023年の本ブログのアクセスランキング第3位なのです。それならもう少しちゃんと最新版に更新してレビューしよう、と思ったわけ。
未だにこれだけのアクセスを記録するということは、会社四季報を書面で読むだけでは飽き足らず、株式投資スキル向上を目指す前向きな方が多いことを表していると思います。
そして、会社四季報オンラインって値段が高いけど、なにかいいことあるの?と気になっている方も多いという証しでもあります。
ということで、今日は…
・2021年に書いた記事を最新版にリライト
・2年間会社四季報オンラインを使い続けた実体験に基づき
・会社四季報オンラインプレミアムプランの内容を詳しく解説したいと思います。
なお、私は東洋経済新聞社とは全く関係がなく、個人的な見解や感想も大いに含まれていますので、事前にご承知おきください。
(自己紹介)
2011年から高配当株を開始。
ブリクジット、チャイナショック、コロナショックなど多くの暴落を高配当株投資で乗り越えてきた個人投資家です。
買った銘柄は基本放置。長期投資で資産形成を実践中です。
それではひとつひとつ見て行きましょう!
なお、ご意見・ご感想はX(元Twitter)までお願いいたします。
Tweet to @okiraku_tohshi会社四季報オンラインのメリット
スクリーニングが超絶便利
会社四季報オンラインの一番のメリットは、豊富なスクリーニングが超絶便利なことです。
スクリーニングなんてネット証券でもできるでしょ?
そう思う方もいるかもしれません。でもね、ネット証券で可能なスクリーニングはかなり限定的です。
ネット証券のスクリーニングの例
収益性バリュー投資
売上高増加率、経常利益増加率、予想PER、ROEなど
配当株投資
配当利回り、自己資本比率、 PBR、配当性向、総資産、流動比率など
テクニカル
移動平均線乖離率(25日、13週、26週)、ストキャスティクス、ゴールデンクロス、デッドクロスなどなど
でも、これらのスクリーニングとして可能な項目は基本的に直近の業績(実績値)と来期の予想が中心となっています。
会社四季報オンラインの場合は、過去5年間、項目によっては10年間まで遡ってスクリーニングをかけることが可能になります。
10年間も遡る必要があるのか?そう思う方もいるかもしれません。
でも、長いこと高配当株投資を続けていると、会社の業績推移や動向を確認するためには、2,3年間程度では足りず、最低でも5年間は必要であると感じます。
また、過去数年間に渡るスクリーニングが可能になると色々なことが分かります。
以前のブログで営業利益率と非減配銘柄の関係や高配当株銘柄とEV/EBITDA倍率について調査したことがありましたが、これは会社四季報オンラインの機能があってこそ可能になった検証結果です。
他にも、自己資本比率・配当性向と非減配銘柄の関係など、様々な視点から分析も可能です。
また、プレミアムプランの場合、スクリーニングで使える情報は約1000項目。
売上高や営業利益のほか、バランスシートに掲載されている現預金・有利子負債などの勘定科目までスクリーニングの対象となっています。
例えば企業価値の算定に必要なWACCの計算やDCF法の計算などもできます。
このように会社四季報オンラインのスクリーニングは他のサービスに比べても群を抜いており、使いこなせれば、様々な視点で企業分析が可能となるのです。
文字・記事検索が便利
会社四季報オンラインでは記事検索機能があります。これはあるキーワードで検索をかけるとこれに該当する銘柄がリスト化される、という機能です。
例えば、「GX(グリーントランスフォーメーション)」というキーワードで検索してみましょう。すると
・会社四季報(最新号)の記事にGXと書かれている銘柄
・適時情報開示でGXと表記されたプレスリリースした銘柄
これらが一覧表示されるのです。これをテーマ株への投資に活用することが可能となります。
最近の例を挙げれば、新紙幣需要にあわせて「紙幣」と検索するとヒットする銘柄は17件です。この中から株価に織り込まれていないと思われる銘柄から投資先を決めることもできます。
また、他の活用例としては中期経営計画を出している銘柄も確認できることです。「中計」などで検索して、今の業績と株価水準を比較することが可能です。
もしもこれを目検と手作業でやろうと思ったらどれだけ時間がかかるか想像もつきませんね。これは会社四季報オンラインでしかできない機能です。
過去の会社四季報が読める
会社四季報オンラインプレミアムプランの場合、1936年創刊以降の会社四季報の記事がすべて読むことができます。
そんな昔の記事を読む機会ってあるの?と思う方もいるかもしれません。
でも、これが意外と便利で、過去に遡って業績への影響や株価への反応を確認することができるのです。
例えば、2025年10月にWindows10のサポートが切れ、多くの企業でWindows11パソコンへの入替え需要が発生します。
また、GIGAスクール関連でもリース切れの時期が近づくなど、特定の業界や特定の銘柄に特需が発生する場合があります。
すると、Windows7のサポートが切れた2020年1月に恩恵を受けた会社はどこか、いつごろから株価に織り込まれ、業績に反映されたのか、といったことが過去の会社四季報で確認することができます。
私が最も活用している事例としては、2009年までの配当金の推移を確認する際は、過去の会社四季報を画面でチェックしています。
中には1980年代から非減配の銘柄がみつかったりと過去の会社四季報を調べていくと新たな発見もあるのです。
この作業は私の投資法の中でも重要で、会社四季報オンラインがなければ、私の今の投資法はないと言っても言い過ぎではありません。
銘柄のメイン画面が見やすい
画面の見やすさは個人の好みとなりますが、会社四季報オンラインの銘柄のメイン画面はとても見やすくてお気に入りです。
例えば、ネット証券の会社四季報などは、基礎/財務情報と業績/株主構成と資本異動/役員等がページを遷移しないと見ることができません。
会社四季報オンラインの場合は、画面をスクロールするだけで紙面の会社四季報と同様の内容が一目瞭然です。
このメイン画面を起点にして、①株価チャート、②過去の会社四季報、③適時情報開示などを確認することができます。
会社四季報オンラインのデメリット
価格が高い
これが一番のネックです。
プレミアム会員になると月額5,500円かかります。ベーシック会員ではスクリーニング機能が限られるなど、加入するならプレミアム会員ですが、それでも値段が高いんです(←二度目)
この料金を年間に換算すると66,000円、年間払いの場合、少し安くなりますが、それでも58,000円かかります。
うーん、やっぱり値段が高いなーという印象は強いですね。
会社四季報の記事はほとんど読まない
会社四季報オンラインのトップページには、様々な記事が日々アップされています。
最近では…
- 震災復旧で恩恵を受ける銘柄
- 2024年の相場はどうなる
- 会社四季報プロ500が厳選した本命50銘柄
- チャートの達人
- 来週の相場展望
- 配当株投資にチャレンジ「今期高配当利回りランキング」
などなど。こうしたネットの情報や推奨銘柄は読んでも無駄、というかむしろ害悪だと思っているので、ほとんど読んだことはないんですよね。
こうした記事に美味しい話は落ちていません。個人投資家は評論家や記者の言うことを鵜呑みにせず、一次情報に触れることを意識するべきです。
スクリーニングの結果をCSVファイル等で出力できない
私が一番残念なのは、スクリーニングで抽出したデータをCSVファイルで出力できない点です。
例えば、先ほどご紹介した高配当株のEV/EBITDA倍率をスクリーニングしても、そのデータをExcelで集計をかけたり、再編集をかけたりすることができないんです。
なので、私の場合は以下のような手順でスクリーニング結果を保存しています。
手順1:スクリーニングの結果、該当する銘柄をウオッチリストに登録
手順2:ウオッチリストをCSVダウンロート(銘柄名と証券コード番号のみ可能)
手順3:CSVファイルをGoogleスプレッドシートに貼り付け、スクレイピングでデータ取得。
手順4:不足する分は表計算と手入力で対応!
こんな感じで完成したのはこちらのシートです。
・証券コード・銘柄名・株価→会社四季報オンラインからのダウンロード
・EPSと配当金はスクレイピングによるWEBからの自動取得
・PERは計算式
・EV/EBITDA倍率とPBRはキーボードでの手打ちです。
やり方に関する詳しい話は割愛しますが、要は手作業が大変ってことです(この辺りのやり方はニーズがあれば記事にしますので一声おかけください)。
著作権等の絡みもあるかもしれないので仕方がないですが、可能ならぜひスクリーニング結果のCSVダウンロードを可能にしていただきたいです。
最後に
ということで今日は会社四季報オンラインのプレミアムプランのメリットとデメリット、ベーシックプランとの違いなどをまとめてみました。
プレミアムプランに加入する価値があるかどうかは、何を会社四季報オンラインに求めるかによって変わってきます。
少なくとも私にとってはなくてはならないツールですが、誰にとっても有益とは限りません。
今回書いた内容を十分に理解した上で、プレミアムプランに加入するべきかどうか判断していただければと思います。
なお、ご意見・ご感想はX(元Twitter)までお願いいたします。
Tweet to @okiraku_tohshi