個人投資家本

新高値ブレイク投資術を読んでワタシが感じたこと

かなり昔に話題になった本でありますが、個人投資家でブログも開設しているDUKE氏の著書「新高値ブレイク投資術」を購入しました。今日はこの本の感想を述べたいと思います。

この本を買った動機

この本を買った動機ですが、実はちょっと不純でして、とあるショッピングセンターに行ったところ、もう少し買い物すれば駐車料金が無料になるので本屋に駆け込みました。

このときビジネス書籍の目立つところに並んでいたのがこの本。久々の株本だし読んでみるか、ということで買ってみたというのが直接の動機です。

率直な感想は「良書」

アマゾンのレビュー等をみると賛否両論があるようですね。ただ、ワタシにとってはちょっとだけ刺激になったという意味で、ゆえに良書だった、と言えると思います。

良い点① 逆転の発想の重要さ

通常、ファンダメンタル派はチャートを否定し、チャートを凌駕する要因を企業のファンダメンタルズにあてはめることを前提としています。

ただ、この本では、チャートの動きからファンダメンタルを考えるきっかけとしようという逆の発想が基本にあります。

確かにファンダメンタルありきでいくと、自分の身近な生活の中に成長株が潜んでいることに気が付かなかったり、また、有力であっても世間に認知されるまで時間を要する(あるいはいつまでたっても成長の芽を見ない)、という欠点があります。

この本は「新高値を記録する銘柄ならファンダメンタル的に何か要因があるのでは」という疑問のもと、銘柄調査の候補として新高値を利用する、という考え方です。

業績重視で凝り固まっている考え方を持っているファンダ系投資家も多いと思いますが、この考え方はある意味新鮮で、読む人によっては「そんなにうまくいくものか?」と疑いたくなるでしょう。

この逆の発想はワタシの銘柄選びの観点にはなかった考え方で、とても新鮮で興味深く感じました。

良い点②1日30分のコツコツからの重要性

この本を読んで「アベノミクスの恩恵」「たまたま上手くいったけど将来うまくいくかはわからない」「この本を実践して退場するところだった」といった非難めいたレビューも散見されます。

人の成功話をまねをしてうまくいくならこんな楽な世界はないわけで、新たな投資手法を取り入れるにしても自分なりのマイルールやカスタマイズが必要だと考えています。

この投資手法を築きあげるまで、筆者は毎日30分間企業分析に時間を費やしています。こうした同様の労力を伴うこともなく、この本を良書かどうかの判断はできないと考えます。

逆に言えば、たった1日30分の継続力が確固たる投資手法の確立と成功を呼び込んだという意味では、自分の勉強量の少なさを反省すると同時にこのような努力をすれば成功につながる可能性もある、という勇気が湧いてきました。

当たり前かもしれないこうした刺激を感じられただけでもこの本を読んだ甲斐があったと言っても過言ではありません。

良い点③久々にスクリーニングしたくなってきた

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良い株本を読むと、実際に検証や投資手法開始に向けた準備を行いたくなるのですが、久々にこのような気にさせられました。それは何よりわがPFのパフォーマンスの低迷にあります。

これまでの投資手法が長期に渡り効果的である、とは言い切れず、であれば、今の投資スタイルに加えさらなるバリエーションを充実させる意味でも様々な投資スタイルの確立も検討すべきではないか、と問題意識を持っていたところでした。

そんなときこそ、この本を手に取り、名目どおり「成長株投資」を考えてもよいのでは、と感じました。

新高値投資法は新しい考え方ではない

新高値投資法は決して新しい考え方ではありません。例えばオニールの成長株発掘法などは新高値を記録した銘柄を購入する方法を紹介した本でもあります。

 

ニコラス=ダーバスもブレイクアウト投資法という本を紹介しています。

ワタシも2冊とも購入して読了していますが、その際には自分の投資手法も順調でこれらの本の投資手法を採用する考えはありませんでした。

また、この本で採用されているトレーリングストップについても、ワタシが株を始めた2003年ごろ、退職間際の職場の先輩から教わっていた考え方と同一で新しい考え方でありません。

しかし、DUKE氏の考える投資手法は単に新高値銘柄をチェックしたうえで、その銘柄に対するファンダメンタル的な業績指標、成長シナリオ、そしてその効率的な確認方法が分かりやすくまとめられています。

この新高値投資法で確実に儲かるのか、魑魅魍魎な株式市場において将来的に成功できるか、といったことよりも、これまでの投資理論と新しい独自の投資手法を組み合わせるなどの地道な取り組みと経験が成功につながった、という事実に偉大さを感じます。

投資手法改善のきっかけとして

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自分で築いた投資手法というのは、とりわけ一定の成功体験に基づくものです。

しかし、その投資手法は一過性であり、「まぐれ」である場合も少なくありません。

そんなとき、自分のこれまで築き上げた投資手法にこだわるだけではなく、より安定したパフォーマンスを叩き出せる新たな考え方を取り入れることで、投資家としての成長も必要であると考えます。

よく個別株運用のマイルール、といった言葉を聞きますが、そのマイルールの目的がリターンの最大化にあるとすれば、より有効なマイルールにブラッシュアップしていく行動も必要です。

世の中には確実に儲かる投資手法はないことをワタシ達は知っています。

でも、より儲かる手法への取り組みはわすれてなりません。

昨今のアベノミクス相場で平和ボケを起こしてしまったワタシのような投資家にとってはとても有用な一冊でした。

まだ、読んでいない人は是非手に取ってみることをお勧めします。

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