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なぜ高値掴みしてしまうのか?高配当株投資家の思考と投資判断の関係をまとめてみる

今日は、高配当株投資と高値掴みの考え方についてまとめていきたいと思う。

日経平均株価は、6月につけた高値33,772円以降、7%下落程度下落。この夏を強気で買いまくった方の中には、高値掴みをしてしまい涙目になっている人もいるのではないかと思う。

バフェットも日本株を買っている!

日経平均は年内4万円まで行く!

日本株はまだまだ上がる!

長期的に見れば、日本株は上がるかもしれないし、日経平均は4万円行くかもしれない。

でも、株は安く買えた方が当然リターンも高くなる。

直近の買いで含み損が増え、自らの投資行動に後悔しているとすれば、私が実践している高配当株投資の考え方が役に立つかもしれない。

そう思い、私の投資判断と相場観の関係を中心にまとめてみることにした。

株式投資に悩んでいる方や初心者の方の役に立つと幸甚である。

なお、記事に関する感想はこちらのツイッターアカウントまでお願いしたい。

なぜ日本株は買いだったのか?

ネットニュースやTwitterなどを見ていると、今年の日本株を強気にみている人が多かった。

私のような高配当株投資家は株価が安くなったときが本当の出番。株価上昇は休眠状態なので一向に楽しくないのだが、ネットでは株価上昇に歓喜する声が目立っていた。

株価上昇を願ってやまない投資家にとっては、相場の強気な声しか耳に入ってこないであろうが、初夏からは相場にとってマイナス要因となる情報も散見された。

  • 日銀YCC見直しによる金利上昇リスク
  • 中国経済の崩壊
  • 米国インフレリスクの再燃

などなど

なので、私にとってはなぜ日本株に強気でいられるのか、疑問に感じていた。

なぜ人の意見に左右されてしまうのか

このような話をすると、私がただの悲観論者であり、軟調な相場が続く今とあっては「単なる結果論」「後付けで見れば誰でも言える」…そんな風に思う人もいるかもしれない。

重要なことは、先ほど挙げた様々なマイナス要因によって私が投資判断を行っているわけではない、という事実だ

みなさんは、何を根拠に日本株は買いだ、売りだを判断しているのであろうか。

Twitterの雰囲気だろうか、プロの投資家やカリスマトレーダの相場観だろうか?

私はこれらの声に耳を傾けてもいない。むしろ、こうした根拠のない相場観は雑音であり、ゴミ以外の何物でもない。株価の行方は誰にも分からないのだから。

根拠のない相場観で投資判断をしない

今の株価が売りか買いか、キャッシュポジションをどれぐらいとればいいか?

これらの判断はおそらく根拠のない相場観やなんとなくの安心感で決めている人が多いではないか

・これからなんとなく下がりそう

・経済指標が出るから様子見がいいかな

・決算マタギを避けていったん売却しよう

などなど。もしもあなたが投資スキルを上げたいと思ったら、こうした「雰囲気投資」から1日も早く卒業すべきである。

解決策としては、絶対ルールを定めることである。

私は、高配当株投資家なので、配当利回り4.4%超、2009年以降減配なし、といったルールが存在する。どんな強気相場でも、この絶対ルールを守ることで高値掴みを抑止することができる。

我が高配当株投資の絶対ルール

  • 配当利回り4.4%超
  • 過去10年間営業赤字なし
  • 2009年以降減配ナシ(記念配・特配は除く)

他にも事細かにルールを定めているので気になる人は参考にされたし。

大人の高配当株運用投資方針(1.5版) 本ブログでもポートフォリオの見直しが入るたびに更新している大人の高配当株、2012年から運用しています。 今回は、大人の高配当株...

私は高配当株投資家なので、配当利回りを中心とした絶対ルールとなっている。

この絶対ルールはテクニカルであれば移動平均線やMACDの推移、バリュー投資家ならば実績PBRや予想PERなどなんでもよい※。

要はあなただけの勝ちパターンを作ることだ。

※私はテクニカルもPER/PBR投資もうまくいかないと思っていて決して推奨しているわけではない。ひとつの例として捉えて欲しい。

プロ野球の世界で言えば、勝利の方程式であり、阪神タイガースのJFKを連想すればよい(かえって分かりにくいか?)

成功体験から勝利の方程式を導きだすことができれば、あなたの投資スタイルは無双状態。

根拠のない相場観による投資判断で見誤ることも減り、同時に高値掴みを避け、暴落時でも恐怖にかられることなく「買い」を入れることもできるようになるだろう。

自分の判断で投資判断ができる。人の意見に左右されない。これが株式投資初心者が克服するべき課題なのだと思う。

昨今の投資行動と今後の見通し

私は毎月運用成績をブログでアップしているが、日々チェックいただいている人には周知のとおり、5月中旬から8月中旬にかけて私は新規買いを行っていない。

また、年間130万円程度の追加投資を予算枠として設けているが、2022年は予算枠大きくオーバーした280万円を追加投資を決行した。一方で今年2023年は1円も追加投資をしていない。

昨年は資源高や米国金利上昇リスクなどで株価が安く放置されていたが、今年に入って高配当株が高くなってしまい、手が出せない状況になってしまったからだ。

特に個別銘柄投資にはこのようなメリハリが大事。

このメリハリ感は冒頭でご紹介した経済情勢や相場環境といった根拠のない相場観で投資判断を行ったわけではなく、配当利回り等の絶対条件を守った結果でしかない。

今後の相場がどうなるかは私には予測はできない。でも、個別銘柄の投資判断はできる。

私の感覚で言うと、先ほどご紹介した絶対ルールを満たす銘柄であふれかえり、1,2週間放置していても余裕で買えてしまう状況が真の買い場である。

そう考えるとあと数週間じり安傾向が続き、10%程度下落すると本当の買い場が見えて来る…そんな印象だ。

正直、追加投資をしたくてウズウズしているが、そんな時期が来るまでお預けといったところだ。

自律した投資家を目指して

高配当株投資家の思考は、いつ消えてもおかしくない幻のような含み益に右往左往するべきではない。いかに低コストで受取配当金を膨張させていくかが最優先課題となる。

そう考えれば、株価下落は決して悲しいことではない。

優良株をお得な株価で買えるチャンスであり、私たちをお金持ちにしてくれる機会として前向きにととらえるべきだ。

株価ボードを見ると、あちらこちらから「買ってくれー」と高配当株が泣き叫ぶように見える、そんなときが来るまでジッと待つ。保有期間が長いことだけが長期投資家ではない。長期目線で買い場を探るのも長期投資家のあるべき姿である

投資家として成功するかどうかはクルーズコントロール状態で悠々と過ごす時間ではなく恐怖の瞬間にどう対応するかである。天才的な投資家の定義とは「周りの人たちが我を忘れているときに、当たり前の行動がとれる人」なのだ。

モーガンハウセル著 Psychology Of Money 第6章「テールイベントの絶大な力」より引用

 

株式投資で成功するためには、どんなときでも冷静に対処できる判断力と行動力が求められる。そのために必要なことは自分で判断できることである。

私自身もそうした自律した投資家になれるように皆さんと一緒に日々精進していきたいと思う今日この頃である。

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